陽射しも強くなり夏を感じる今日この頃。
今回紹介するのは、タイトル通り、夏にあった出来事を描いた青春ストーリー。
今作を読んだら夏が恋しくなるかも。
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📗こんな人におすすめ
★瀬尾まいこ著作『あと、少し、もう少し』を読んだことがある方
★見た目と中身のギャップに弱い方
★子供が好きな方
📗『君が夏を走らせる』内容紹介
高校2年の不良少年・太田が主人公。
太田は突然3歳上の中武先輩から先輩の奥さんの出産までの1ヵ月の間、先輩の1歳の娘・鈴香の子守りのバイトをしないかと頼まれる。
太田はずっと可愛がってくれている先輩が自分に頭を下げている姿を無視できないと思い、子守りのバイトを引き受ける。
先輩の奥さんの鈴香の取扱書のノートを見ながら、太田は鈴香の子守りに奮闘。
最初は鈴香に懐かれず頭を抱えることも多々あったが、次第に鈴香と会うことが楽しみになっていく。
やりたいことを見失っていた不良少年が慣れない子守りでいつもと違ったひと夏を過ごす青春ストーリー。
📗『君が夏を走らせる』おすすめポイント
実は『あと少し、もう少し』のサイドストーリー
今作の主人公・太田は実は瀬尾まいこ著作の中学生6人の駅伝大会までの道のりを描いた『あと少し、もう少し』にも登場している。
そのときは中学3年だったので、その2年後を描いているわけだ。
『あと少し、もう少し』では、授業にもろくに出ていなかった根っからの不良の太田が同級生の熱い説得により駅伝大会に参加した太田。
駅伝大会に出場することをきっかけにタバコをやめ、派手髪も剃って坊主にした太田は身なりと違って真面目で本当に走ることが好きなんだろうなって感じていたが、今作も太田の印象は変わらなかった。
高校生の太田は近所のショッピングモールをバイクで行くのではなく、走っていってたみたいだし(笑)
ひょんなことから自分の母校・市野中学の後輩たちと走る対決をすることになった太田はとてもいきいきしていた。
高校で真面目に頑張ろうとしていたことがうまくいかず、くすぶっていた太田。
そんな太田の走ることへの熱意垣間見れて、今作で再び太田と再会できてよかったと思う。
太田の人柄
太田は派手な髪色をしていたり、一見怖そうな不良少年に見えるが、実はそうではない。
1歳の鈴香が食べやすい料理を考えたり、積み木を買ってきたり、
不良が集まるクラスの中で浮いている同級生の女の子・和音を気にかける優しさを持っている。
時折このまま不良のままでいいのかと考えるシーンもあり、やっぱり根が真面目な少年なのだと思った。
両親と絶縁状態になった中武先輩の奥さんのために鈴香と一緒に奥さんの両親に何か贈りものしようとしている姿にも感動させられた。
まわりへの細やかな気配りをする太田の人柄は読んだ人皆絶対気に入るだろう。
📗まとめ
鈴香の子守りをすることにより、より大人になっていく太田。
駅伝大会のような学生のイベントとは違うが、これはこれでかげかえのない時間で青春の1ページとなったのだろうなと思う。
太田と鈴香が次第に心通わせるようになるシーンもとてもいじらしく読んでいて微笑ましいので、そちらにも注目して読み進めていくことをおすすめする。