あき ２/9に映画上映される瀬尾まいこ作品『夜明けのすべて』
同じ職場で働く20代の男女2人が主人公だ。
同世代の男女2人なら恋愛に発展していくのかと思いきや、
そんな単純なストーリーではない。
2人の主人公がどう絡み合っていくのか、見所満載の小説である。
※本ページはプロモーションを含んでおります。
Contents
📕こんな人におすすめ
映画を見る前に内容を知っておきたい方
映画を観に行くか迷っている方
頑張ることに疲れてしまった方
📕『夜明けのすべて』あらすじ
主人公は子会社・栗田金属で働く28歳の藤沢美紗と25歳青年の山添。
美紗は生理直前に気持ちをコントロールできなくなるPMS(月経前症候群)、山添はパニック障害を抱えている。
2人とも病気が原因で前職を退職し、病気など何事も寛容に受け入れる温かい人が集まった栗田金属に再就職する。
互いに恋愛感情も友情もない美沙と山添。
だが、病気を抱えている者同士、自分にできること、救えることがあるかもしれないと思い、少しずつ助け合っていく。
📕『夜明けのすべて』おすすめポイント
自分の視点だけで見ていないか振り返る
人の気持ち、痛みは完全にわからない。
わかっているはずだけれど、自分が辛い思いをしているときはそのことについて忘れがちである。
パニック障害の山添はPMSに悩む美紗は月に1度しか症状出ないなら大したことないと思い、美沙に自分の抱えているパニック障害の方が大変だと口にする。
美紗はパニック障害について詳しくないこともあり、「そうなんだね」と言って流してくれた。
だが、その後、山添は自分が言ってしまったことに疑問を持ち、後悔もする。
この場面から心に余裕ないときこそ、自分の視点だけになっていないかこまめに確認する必要がある
と思った。
特に相手の抱えていることに対しては安易に考えてしまったら自分の抱えている痛み以上のものを相手に与える可能性もある。
美沙の山添への対応、山添が自分の言ったことを振り返ってるシーンから
自分のことも大事にしないとたが、自分が辛いときこそ、周りへの思いやりも忘れずにいたいと思った。
違う痛みでも助け合える
恋人でも友人でもない美沙と山添。
抱えている病気も違うが、互いができないこと、辛いことをフォローし合っているところが何度も登場する。
特に印象に残ったのは美沙が山添が一人暮らししているアパートに突如上がり込むところだ。
PMSの症状が出ていないとき以外の美沙は普段は大人しく控えめな性格。
そんな美沙は山添を助けるために何度かアパートに乗り込んでいる（笑）
美沙の行動が面白いぐらいハチャメチャすぎるのだ。
美沙のおかげで山添はパニック障害でできなかったことが久しぶりにできたことも。
また、山添も美沙のPMSの症状が出る特徴を見つけ、さりげなくフォローし、美沙のことも何度か救っている。
美沙と山添がお互いに助け、救い合っている姿を見て、
辛いことを抱えていても誰かの力になれるんだ
と頭で考えられるようになった。
美沙と山添の何気ない面白いやり取りはもちろん、お互いの力になれた、助けてもらえたという心の動きにも注目して読んでみてほしい。
誰かのためなら頑張れる！
人は普段は駄目だったり苦手なことも誰かのためならできてしまうものだ。
美紗が手術で緊急入院した場面。
山添はパニック障害の影響で乗れなかった電車も発作が出ながらも頑張って乗り、電車がキツいと思った後には電車を途中で降りてレンタル屋で自転車を借りてまで美紗が入院している病院まで必死に向かった。
パニック障害を発症してから遠出もできなかった山添にとって電車に乗って向かうのは至難のことだったはず。
だが、美紗がPMSになる時期で美紗の体調をより心配になった山添は辛いことも美紗のためになんとか動いたのである。
山添が電車経由で病院まで行く道のりを読むといかに心身無理しながら向かったことが伝わり胸が痛くなった。
それと同時に誰かが困っていると思ったら辛さより行動してしまうことが勝ってしまう。
という山添の頑張りに感動、共感した。
何かを乗り越えられるときは自分のためより誰かのために
と考えたときかもしれない。
📕まとめ
今作は美沙や山添みたいに病気以外のものを抱えている人にも
頑張ってみよう、自分も誰かのためになっているかもという前向きな気持ちにさせてくれる作品だ。
そして、助けられることはサポートし、頑張れず休んでるときは誰かが手を差し伸べてくれる
世界があることを教えてもらった気がする。
今回の瀬尾まいこ作品もじんわり温かい気持ちにさせてもらえた。
そして、美沙と山添の距離は縮まることがあるのか、想像しながら読んでみると面白いよ。
映画見る前にも後に読んでも心が満たされること間違いなし。
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ここでは紹介できたかった栗田金属の人たちとのやり取りも面白くて温かい気持ちにさせてくれた。
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